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近代医療は資本家階級の「道具」

なぜ現代医療にお金がかかるのか疑問に思っているのは、私たち日本人だけではありません。UCLA健康政策研究センターの所長リチャード・ブラウン博士も、そのひとりでした。

彼は「なぜアメリカの医療費が高騰し続けているのか」という疑問を抱き、アメリカの近代医療の起源を調べることで、その原因を突き止めたのです。

「ロックフェラー・メディシンマンーアメリカにおける医療と資本主義」という著書の中で、ブラウン博士は、アメリカの医療が科学的医療と資本主義を起源にしていることを余すことなく書いています。

また、ユースタス・マリンズ氏の著作「医療殺戮現代医学の巨悪の全貌」でも、欧米の財閥が一般社会の人々の健康ニーズに応えるわけではなく、自分たちの狭い経済的・社会的利益を守っていくため、資本主義にもとづく近代的医学を確立してきた歴史が解き明かされています。

いずれも近代医療が資本主義という枠の中で発展し、欧米の財閥のために「産業化」したことが医療費高騰の原因と結論づけています。

20世紀初頭はまだ科学万能主義で、科学技術と産業化が近代社会を作り、社会のすべての問題を解決すると考えられていました。

近代医学もそぐの中で欧米の財閥が支配した産業界と科学技術信仰が生み出した体系のひとつです。

具本均にどういうことなりかを2冊の著作に沿いながら見ていきましょう。

科学万能主義が席巻していた加世紀初頭のアメリカでは、石油王のロックフェラーや鉄鋼王のカーネギーなどの大資本家が、すでに世界の金融王であったロスチャイルド財閥(ロスチャイルド財閥のアメリカ代表がモルガン財閥)の後押しを受けて社会を支配していくようになりました。

彼ら大資本家たちは、多数の労働者を取り換え可能な機械部品のように扱っていました。資本家のもとでは、労働者は維持コストゼロの無限の資本として過酷な労働を強いられたため、短命ですぐに健康を害し、労働力としては使いものにならなくなったからです。

しかし、労働者を取り換え、引き換えしていたのでは、その度に最初から教育し直なさなければなりません。それでは利益を上げるのに効率が非常に悪くなります。

資本家たちは、科学的な手法で労働者たちを教育し、健康を向上させ、再生可能な労働資源として活用すれば、全体的なコストが下がるのではないかと考えていました。

この考えのもと、科学的な手法で労働者や奴隷階級を教育していく目的で作られた学問を「社会科学」または「社会工学」(ソーシャル・エンジニアリング)といいます。

社会工学は戦後の日本人の思想統治の手法としても流用されました。

そして、科学的な手法で労働者の健康を維持する目的で作られたのが「近代医療」なのです。

つまり、「近代医療」は、、労働者を資本家階級に奉仕させるための道具だったのです。

このシステムへの投資は、慈善事業をおこなうという名目で作られた財団を通じておこなわれました。本当は、財団は資本家が税金回避のために作ったのですから、近代医療への投資は一石二鳥といえました。

現在、アメリカでは医師というと専門職の代表として、地位も高くお金持ちというイメージがあります。しかし、アメリカ国内では、19世紀末まで民間医療が主であり、医師は力も富もなく、地位も低かったといいます。

医師になりたい人は、自分で名乗れば勝手に治療行為ができました。

庶民は、自分の症状と経済状況に合わせて、治療を受けるか否か、受けるとすればどんな治療がいいのか、自分で選んでいたのです。

そして医師は、患者の希望に合わせ、適当な方法と価格による治療を提供していました。

もちろん、アメリカ医師会の創始者であるシモンズ(似非治療とおびただしいスキャンダルで1924年に追放)のような似非治療師が跋扈していましたが、ここでは自由競争があるため治療にかかる費用が莫大になることはありませんでした。

すべては治療を受ける市民が選択できる「患者中心」の医療だったのです。

しかし、そのような状況は、1910年を境に一変します。

資本家たちが「近代医療」という手法で上から医療を独占し、コントロールしはじめたのです。

その近代医療は、ロックフェラー財団のロックフェラー医学研究所(のちのロックフェラー大学医学部)から発展し、世界を歪めていくのです。

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