

これらのストレスホルモンは、私たちを不安、混乱そして興奮へと駆り立てます。
ストレスホルモンが高い状態では、アジテーションが強いため、疲れを「疲れ」と認知することができません(アジテーションで「疲れ」という感覚がマスクされる)。
これは、ストレスによって、冷静な思考がストレスによって引き起こされる情動や感情に飲み込まれるからです。
大事な問題や交渉は、その場で回答するのではなく、じっくり家に案件を持ち帰ってから検討すべきとよく言われます。
これは、ストレス下では、冷静な判断が衝動的な意思決定に置き換えられるからです。
自分の状態を第三者の目で冷静に眺めることを「メタ認知(metacognition)」と呼びます。
メタ認知はストレス下ではできません。
実際に、コルチゾールを注射した臨床実験では、メタ認知機能が低下することが確かめられています。
ストレスがあってもそれを「ストレス」と認知することができないのです。
ストレス下では、痛みや苦痛により敏感になりますが、これも痛みという感覚を冷静に認知できないことで起こります(糖のエネルギー代謝の高い人は、痛みを冷静に分析できるため、痛みに強い)。
これは不調が常態化している人(=慢性ストレス下にある)は、「不調」と認知できないのと同じメカニズムです。
疲れているのにザワついて眠れないのも、「疲れ」を認知できないからです。
このようなときは、ハチミツ、砂糖、塩を摂取すると、「疲れ」を感じることができるため寝つきやすくなります。

こちらもCHECK
-
-
『食欲と性欲 ~性欲は永遠に~』
ねお平均77歳(93歳も含まれている)の男性高齢者を対象とした興味深い臨床試験があります。 80歳近くもなれば、少し動くのにも苦労し、新しいことに対することだけでなく、楽しみがあったことに対しても興味 ...
続きを見る