日本人は形ばかりか、「重さ」も気にします。コンピューターの画像処理機能を使って栗の重さを測ったり、たらこは「ベルト式ウェイトチェッカー」というベルトコンベア状の自動はかりの上に載せて選別します。
鮭に至ってはこれもコンピューターの画像処理で切り身にして揃えるのです・・・。


重さが数グラム違ったり、形があまりにも不揃いだと業者からクレームが来ます。エビのむき身は1g単位までそろえるように要求されます。
玉ねぎの場合の軽量はお玉風の容器がずらりと20個ほど横に並ぶ機械があって、そこに玉ねぎが乗ってきます。3個600gと設定すると3個のお玉の組み合わせをコンピューターが計測し、その玉ねぎの上のライトがついてパタッと下に落ちます。
それが600gになっていて、網の袋に入れられます。
このような選別にどれだけの設備が必要か・・・・。そもそもこの選別機械だけで2000万円くらいします。その他の設備投資だってかなりの費用です。
こんなことをしているから、野菜の単価がどんどん上がっていくのです!!
そして選別に盛れた野菜はどうなるのか。規格外品としてたたき売りです。これでは、生産者も問屋もたまったものではありません。規格外品の野菜を「わけあり野菜」として売っています。しかし、自然の野菜をわけありとして売るのには違和感があります。なぜなら、それを人間のつくる加工食品の工業的規格にあてはめようとするから歪みが生じるのです。
野菜の形、重さ、色を重視して品質基準とするのはおかしい。高く売れるブランドの農作物の裏側にも、ブランドゆえの規格外が増えるのも事実です。消費者が野菜に求める優先順位とは一体何なのでしょう。
虫入り給食騒動
ある小学校で、子供たちの給食を少しでも「地産池消」でまかなおうという取組が始まりました。地元の農家の方々が頑張ってくれて、農薬を通常の五分の一以下に減らす特別栽培と全く使わない有機栽培で給食用の野菜を作ってくれました。
学校に直接納入しますから、傷ついたもの、腐ったもの以外は全部納入しました。皮むきの手間が大変ということはありましたが、市価よりかなり安い値段で納品されました。
ところがある事件が起きました・・・。
給食に小さなアブラムシが1匹入っていたのです。
しかし、そのときクラスの担任の先生は、「美味しくて安全だから虫も食べるんだよ」と子供に説明し、虫が入っている子のおかずを自分のものと交換し、虫を外して食べたと言います。
子供たちは、この先生の行動に拍手をしたそうです。
ところがこれが大問題となりました。保護者が学校まで乗り込んできて、「虫入りの給食を食べさせて!」「衛生管理がどうなっているのか!」と怒鳴りまくったのです。校長先生は、ただただ平謝り・・・・。
こんなバカな保護者に私なら「農薬をもっと使えば虫はつかなかった、申し訳ありませんでした」と言ってやります!
農家の方は子供たちを思って手間をかけ、ギリギリの農薬で野菜を作ってくれたのです!農薬を使えばアブラムシも付きません。いったいこの保護者の優先順位は何なのでしょうか・・・。