

米国では労働時間の20%はこのようなリモートワークにシフトしています。
学校でも、リアルの触れ合いがなくなり、ズーム(ZOOM)などでのバーチャル(virtual)授業が主体となっていました。

最新の『ネイチャー』誌に掲載された研究論文に、そのバーチャル・コミュニケーションのもたらす効果について興味深い結果が報告されています。
バーチャル・コミュニケーションでは、リアルの世界で発揮できた創造性(creativity)が低下するという結果が出ています。
ビデオ会議などでは、画面を集中して見るために、認知能力がそこだけに限定されてしまいます。
思考をフォーカスする「マインドフル瞑想」でも、創造性が低下し、うつ傾向になることがあります。
「マインドフル瞑想」も思考だけにフォーカスするので、ある意味バーチャル世界と同じと言えます。
創造性を高めるためには、思考をある程度分散させなくてはなりません。
分散というのは、いろんな情報を取り入れるために、少し脳の緊張を緩ませるということです。
また他人の表情や場の雰囲気を読み取るといったソーシャル・スキルは、思考ではない脳の機能が必要とされ、リアルでしか磨くことができません。
私も最近はこのことを自覚することがあります。
以前は、研究論文はすべてプリントアウトして、リアルの紙にしてじっくり読んでいました。
リアルの紙だと、線を引っ張ったり、重要なところにマーキングしたり、書き込みしたりできます。
リアルの紙に書き込みしたり、読むのを離れて窓の外を眺めたり、数日寝かせたりするうちに、新しいリンクができるのでしょう。
しかし、最近はあまりにも読むべき研究論文が増大したため、オンラインで読んでしまうことが多くなりました。
オンラインで読むと、不思議と頭に残らないのです…
つまり、新しい視点に発展しないのです。
そういえば、本をキンドルなどの画面で読んだのですが、不思議と記憶に残りません。
おそらく同じことが起こるでしょう。
現代の教育のように、ただ権力者に従うロボット養成であれば、むしろバーチャル・コミュニケーションの方が有効でしょう。
しかし、生命体の本当の真価とは、無限の創造性にあります。
私たちが生き生きとして人生を全うするためには、リアルに優るものはありませんね。
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